2010年 展 望 と 事 業 計 画
カテゴリ : 全体
投稿者: Kyogaku 掲載日: 2010-7-20
 天台宗総合研究センター
理事長 阿 純孝殿

                       センター長
                         小林肋

 激動する現代社会にあって、センターがどのように宗門の付託に応えるべきかを目標に、基本的理念に基づき、センターに関わる企画委員・研究員は、具体的方策に取り組みながら、鋭意、研究と努力を重ねております。
 ここに、前回の報告(平成21年4月15日)以後のセンターの歩みを踏まえ、平成21年度(平成21年4月〜22年3月)の動きと今後の展望を記して報告に代えます。


機ゥ札鵐拭爾硫餤諜録
 *センターの会議記録は次のとおり(各研究班会議を除く) 
  平成21年4月24日  センター総合企画会議
1.平成20年度事業報告
2.平成21年度事業計画
平成21年6月1日  センター理事会
1.平成20年度センター事業報告
2.平成20年度センター特別会計歳入歳出 決算
3.同上剰余金の処理につき承認を求める件
4.平成20年度末センター資金積立金現在高報告
5.センター関連人選報告
6.研究テーマに対する各研究班の平成19年度報告
7.センター運用内規案について


 平成21年11月25日 センター総合企画会議
1.平成21年度センター事業報告
2.平成22年度事業について
3.平成22年度予算案について


 平成22年1月25日  センター理事会
1.センター主幹理事の互選について
2.平成22年度センター事業計画
3.平成22年度センター特別会計歳入歳出 予算
4. 総合企画会議企画委員の補充報告について
5.研究テーマに対する各研究班の進捗状況報告
 
 平成22年3月4日 センター総合企画会議
1.研究班主任の選任について
2.研究班体制について



供コ独匹慮Φ罎畔神22年度事業計画
○第1班(主任 多田孝正)(*3月4日より多田孝文研究員が主任)
【プロジェクトA】(1班中心『天台宗の教義』改訂版作成担当)
 「天台宗の「宗」としての再確認」をテーマに総合仏教に根ざした「宗」であることを再確認する中で、日本仏教を形成する諸宗派と対比しつつ自らの独自性・存在感を明確にする。
 21年度は、20年度に引き続き、平了照著『天台宗の教義』改訂版の制作作業を行った。
宗学の基本書である同書を、現在の学生に理解しやすいよう、わかりやすい文体に改訂し、内容も精査して刊行することを目標とした。
 21年度は特に「顕教」の部分を完成させる予定であった。22年3月末現在、各担当者は執筆を終え、内容や表現の確認・修正を行っているところであり、近日中に編集・刊行の作業に移行する予定である。

*1班会議記録
    平成21年 4月23日  於 大正大学
平成21年 5月21日  於 大正大学
平成21年 6月18日  於 大正大学
平成21年 7月 7日  於 大正大学
平成21年 8月25日  於 大正大学
平成21年 9月29日  於 大正大学
平成21年10月22日  於 大正大学
平成22年 3月12日  於 大正大学   

*1班平成22年度の事業計画
平了照著『天台宗の教義』の後半部分の改訂。日本天台、天台宗史など。現在の学生に理解しやすいよう、わかりやすい文体に改訂し、内容も精査して年度内に原稿執筆を完了させる。
また、20年度から作業を始めていた密教と浄土教の部門に関しても目次の設定を行っており、順次刊行できるように進めていきたい。
但し、新しく組織される研究部門の活動次第で、多少の問題が起こる可能性もあると思う。

○第2班(主任 村上圓竜)(*3月4日より勝野隆広研究員が主任)
*第2班の研究テーマとプロジェクト体制
天台宗総合研究センター第2班は「天台宗の宗としての再確認と現代における宗団のあるべき姿」(外部社会対応)という大枠のもと研究を進めている。平成21年度は研究体制の変更に伴い、研究テーマ毎のプロジェクトチームとして研究をすることとなった。
  第2班の研究員は全員が
プロジェクトB(寺院をとりまく環境の変化とその具体的対応策研究)
プロジェクトF(宗勢総合調査実施に向けての基礎研究)に配置された。
また、
プロジェクトA(天台宗の教義改訂版作成) 勝野研究員
プロジェクトG(葬儀の変容とあるべき姿の提示) 勝野、村上興、井上各研究員が参加した。
しかしながら、平成21年度はプロジェクトBの研究に関しては一旦休止することとし、第2班としてはプロジェクトFに専念して研究し、報告を行うこととなった。

*プロジェクトF(宗勢総合調査実施に向けての基礎研究)の研究経過
ここでは、第2班全員が係わったプロジェクトFについての研究経過を記す。
プロジェクトFの課題は、宗務当局よりの依頼で、天台宗が宗勢総合調査を実施する場合に必要となるであろう諸事項について基礎研究を行うというものであった。そのための研究手法として、
ヾに宗勢調査を実施している宗団の研究報告書を収集し、各調査の調査項目・調査方法等を整理する。
⊇\調査実施している宗団のうち、代表的な調査を選び、その宗勢調査に実際に関わった実務担当者を招聘して、調査の方法や手順、課題などについて教示していただき、具体的な宗勢調査の方法を把握する。
0幣紊鯑Г泙─◆崕\総合調査実施に向けての基礎研究」のレポートをまとめ、報告書として提出する。
ことを行った。
班会議は以下の通り実施した。

*2班会議記録
平成21年4月2日(13:00〜15:30)於 大正大学
前年度シンポジウム小冊子の校正、プロジェクトF研究を進めるための方針を検討、プロジェクトBの扱いについての意見交換。

平成21年5月29日(14:30〜16:45)於 宗務庁
プロジェクトF研究を進めるための手順を検討し、宗勢調査実務者として、浄土宗・真言宗智山派・曹洞宗の方を招聘することにする。

平成21年7月30日(13:30〜17:00)於 宗務庁
浄土宗宗勢調査について、実務を担当された仏教大学教授 広瀬卓爾先生を迎え、具体的な調査の過程や実施方法、データの集計整理、報告書作成、人員、費用等を伺った。

平成21年9月4日(13:00〜16:00)於 大正大学
真言宗智山派宗勢調査について 智山伝法院教授 鈴木晋怜先生を迎え、調査の詳細を伺った。

平成21年10月2日(13:00〜16:00)於 大正大学
曹洞宗宗勢総合調査について 曹洞宗総合研究センター専任研究員 平子泰弘先生を迎え調査の詳細を伺った。

平成21年11月13日(14:00〜16:00)於 宗務庁
聞き取り調査を行った各宗の実施状況について村上興研究員の作成した報告書を検討した。

平成22年1月22日(13:00〜15:45)於 宗務庁
プロジェクトFの報告書を完成し提出。来年度以降の研究テーマについて検討した。

以上のような研究経過を経て、プロジェクトF「宗勢総合調査実施に向けての基礎研究」に関しては、報告書を提出し、第2班としての研究は終了した。

*2班平成22年度の事業計画
平成20年度まで行っていた課題(プロジェクトBに相当)を中心に研究活動を行う予定。必要に応じてシンポジウム、座談会および小冊子刊行を行うことになる。
                
○第3班(主任 齊藤圓眞)(*3月4日より霜村叡眞研究員が主任)
【プロジェクトC】天台宗並びに研究センター広報担当:センター・ホームページ管理運営とその拡充
【プロジェクトE】寺報発行の勧めとノウハウの提示

 *3班会議記録
 平成21年 6月16日 1)新たにセンターHPにアップする内容
              2)「寺報づくりのすすめ」に関して
3)天台宗公式HP上のQ&Aについて
(宗務庁)
 平成21年 9月28日 1)天台宗公式HP上のQ&A改訂作業について
2)天台宗公式HPへの掲載可能Q&Aについて
3)「寺報づくりのすすめ」について
4)新資料(ダウンロード・天台関係新刊書)
(宗務庁)
 平成22年 2月 9日 1)天台宗公式HP上のQ&A改訂作業について
             2)「寺報づくりのすすめ」について
                3)新資料(ダウンロード)について
                                (宗務庁)
 平成22年 3月 2日 ●センター3班班会議
1)「寺報づくりのすすめ」について
2)新資料(ダウンロード)について
●庁内HP委員会との合同委員会
                1)センター3班活動報告
                2)天台宗公式HPの現況報告
                3)宗徒向けHPについて
4)センターHPと公式HPの今後について
                                (宗務庁)
 
*平成21年度研究活動の概要
1.センターHPの運営と現況
仝州硲丱瓮鵐弌漆堯В横娃位勝癖神22年3月29日現在)*教区2件を含む。
∩蹈▲セス数:208,035件(平成22年3月29日、午後5時現在)
0貽平均アクセス数:204件
ず蚤腑▲セス日:1/12: 322件,1/7: 321件,11/5:306件(平成21年度)
ズ脳アクセス日:2/9: 102件,8/6:107件,7/30:115件(平成21年度)

2.研究活動報告
(1)天台宗公式ホームページ上の現行Q&Aの改編と修正
〆鯒度までに「What's天台宗」・「仏教・仏事」・「天台宗の機関」中の一部の改編・修正作業を終わり、今年度、新たにQ&Aの改編・修正に取り組む。

■横温猝椶里垢戮討魍胴猝榾茲吠数班員が手分けをして担当、原稿作成と班員間の調整を行い、全ての修正を完了、HP委員会に提出済み。

(2)寺報づくりのすすめ(センターHP上に掲載予定)
ヽ特呂波刊されている天台宗寺院の寺報をできる限り集め、20点ほどを選んでPDF形式でセンターHPに載せる。

導入部分に、仮題「ともに考え、作る「寺報」づくりのすすめ」を作成、寺報作成の目的・基本・全体の流れ・取材・写真掲載・校正などをその中に盛り込む。現在作成中。

寺報作成に関する参考書籍・WEB&ソフト&素材データ集などを掲載する。現在作成中。

さ蚕囘な問題、例えば、用紙の大きさ・段組・割付など技術的なガイダンスを付す。

グ幣紊魄譴弔HPとして(仮題「寺報作りのお手伝いをします」)、試験運用を目指す。反響等をみながら、冊子化について検討する予定。

(3)ダウンロード資料
〜蹈瀬Ε鵐蹇璽瓢駑楚堯В隠苅厳錙癖神22年3月29日現在)
内訳(教学:22件  学会関係:9  布教:80  法儀:12
   寺院運営:6  研究員提供資料:1  その他:18)

⊃轡瀬Ε鵐蹇璽瓢駑腺隠碍鐵媛叩癖神21年度)
*中尊寺〈寺報〉『関山』第15号
*中尊寺〈寺報〉『関山』第14号
*『アジアの仏教を知ろう』(センター2班担当)
*天台こよみ30周年記念『天台こよみ法話集第二輯』
*天台こよみ20周年記念『天台こよみ法話集』
*平成21年布教資料
*平成21年度布教方針
*平成20年度布教方針
*平成20年布教資料
*布教資料 平成18年度 第48回天台宗教学大会 布教部門
*布教資料 平成19年度 第49回天台宗教学大会 布教部門
*布教資料 平成20年度 第50回天台宗教学大会 布教部門
*天台宗京都教区布教師会発行『法味』総輯編(26号〜35号所収)

A換餠偽荼修会一覧(データベース)
*2006年4月〜2009年3月568件掲載。

ち換颯縫紂璽昂悩
(全国紙など、平成21年4月5日〜平成22年3月29日)109件追加。
*ヒット数多い例
32=5.15青蓮院の国宝「不動明王」、デジタル技術で鮮やかに(産経ニュース)。
22=6.30善光寺“内紛”盛況の御開帳終え火花再び…(産経ニュース)。
21=6.29天台宗25院代表、善光寺住職の辞任求め提訴(産経ニュース)

ヅ径羇慙⊃郡書籍データベース(リスト表示/カード表示)
*28点掲載(教学歴史:14 布教:7 ガイド紀行:5 雑誌:2)。
*「書名」「著者名」「出版社」「発行日」「価格」などを明示。

*平成22年度年度事業計画
―仝式HP上の現行Q&Aに新たな項目を追加してよりよいものにする。全国天台仏青の掲示板に、過去に寄せられたQuestionの分析により適当と思われるものを選別、あるいは世間において誤解されがちな問題をQuestionとし、それらに対するAnswerを作成して宗公式HP上に掲載する。

▲札鵐拭治硲个里気蕕覆觸室造鯡椹悗掘▲如璽燭鮹濱僂靴童開するなど情報の発信源としての任務を果たす。

HP全体の構成、使い勝手、技術的問題のチェックと改善作業を進める。

ぢ照匹公開を希望する資料をHP上に掲載する。

ァ峪報づくりのすすめ」を計画に従い作業する。

○第4班(主任 村中祐生)(*3月4日より坂本廣博研究員が主任)

*4班会議記録
平成21年 6月10日 13時より
平成21年 9月18日 13時より
平成21年11月30日 13時より

*経過報告
‖2回平成21年9月18日までは平成21年11月25日における企画会議において報告済み。
その詳細は以下の通り
1.経過報告・予定報告(各会議中に話題になった件も含む)
(1)前主任、故谷玄昭師本葬儀が8月31日に執り行われた
(2)神社本庁教学大会が6月12日に開かれ、主任が出席
 −人材養成に関しての天台宗の構想一般に関して参考意見を求められた
(3)会議において各自負担の教材資料の進捗状況報告
 −A類・B類とも年度内に完成をはかる予定につき各回とも進捗状況の報告
   −担当予定のものの内、年度内に原稿の完成をはかることで意思統一
(4)宗門の態勢について各住職による自己評価の記入表作成について意見調整
 −自己評価のあり方については宗門の全体に関わることなので実施の方向は未定
 −自己評価の記入表の作成例についてより記入し易い案を試作する
(5)教材資料の刊行印刷等の具体案は目下未定である
 −出版印刷等の依頼先出版社の選定を急ぐ
(6)宗務庁の出版物で過去に刊行した書籍等の再版について
 −シリーズ化と体裁等の検討をする必要がある

2.研修資料の活用と今後に残される課題
(1)研修一般の方向とも合わせて各教区においての研修態勢を分析する
 −実情の把握と現在求められている宗門の将来像との関連予想
 −宗教法人に求められている公益性についての綱要の整理
 −世襲化している現状の各寺院で、次世代後継者について期待する観念の把捉は可能か
(2)研修態勢の充実をもって宗旨宣揚の課題に対応する可能性があると評価できるか
 −現在およびこれからの社会的変容の予想に応ずる宗旨宣揚の課題はなにか
 −各地域や各寺院がかかえる現実の公益課題を展望する大勢予想と研修課題
 −社会一般に提起される「日本的危機」に対応する方策は研修で補完できるか

第3回会議は平成21年11月30日、天台宗務庁第5会議室において開催された。そこでは、
1.法嗣研修、教師研修規定の抜粋。
2.桑谷研究委員より法嗣上級下巻担当箇所構成案並びに原稿抜粋。
3.嘉瀬研究委員より法嗣初級上巻担当箇所原稿抜粋。
4.堀澤研究委員より『道心と成仏』の原稿(B類)
が提出され検討された。以上の会議では、担当箇所の執筆をしている研究員から枚数が増えてしまうという報告があった。しかしそれはかまわないので急いで執筆することが求められた。

*次回の企画会議には
1.各段階別研修教材(A類)、専門的個別の研修教材(B類)の完成を急ぐ。
2.人材養成(法嗣・教師)についての研修の構想。
3.寺院教会の公益性を図る方策についての検討。
4.自坊寺院の公益性を見直すことを目的とした自己評価記入票の作製。
について報告する。

*平成22年3月4日13時30分より天台宗総合研究センター総合企画会議が天台宗務庁において開催された。その会議においては宗務庁内局の人事移動に伴って新たに主任と企画委員が任命された。そしてそれらの新企画委員たちによって検討されたことは、研究センター各班の本来の役割を見直し、それを実現するための協力体制であった。その結果第4班ではこれまでの企画をもう一度吟味し、本来の「僧侶・教師の人材養成と研修体制の確立」という目的実現のための方策を検討することとした。

以上のことから平成22年3月8日に計画されていた第4回会議は、準備が間に合わないということで中止となった。
 
○各班混合(代表 渡辺明照)
 【プロジェクトチームG】
課題 :・葬儀の変容と、あるべき姿の提示
・法要儀式の現代化について。

メンバー:渡辺明照(4班)、勝野隆広(2班)、大沢亮湛(4班)、神達知純(1班)、霜村叡真(3班)、村上興匡(2班)、井上治代(2班)、張堂興昭(1班)の8人。

*会議経過報告 :
〇初回、3月5日1時よりG班発足会議 :
 センター長、教学部長ご臨席のもと、今後の研究活動の方向性について検討した。研究期限は平成21年度末までの短期間ではあるが、葬儀、法要儀式の問題点やそれに対処する方策について議論し、何らかの提案ができることを目指すことにした。
少子高齢化、檀信徒制度の崩壊、葬式組合(隣組)関与の希薄化、檀家の分散など葬儀、法事をめぐるさまざまな問題が提出される。そこで次回に研究員の各寺坊での現状や課題、対処法についてある程度まとめた形で提出することを宿題とした。また、研究期限までに、葬儀葬祭問題に関する具体的事例に基づく提案をまとめることを確認した。

〇第二回、5月8日会議 :
各研究員が経験した問題や課題をそれぞれ開示した。
(問題をまとめたものを下の「現状把握」に記す)

〇第三回、7月22日会議 :
(春学期末で各研究員がたいへん忙しく、三々五々集まっては議論をたたかわせた。従って会議経過報告の作成は不可能である)

〇第四回、10月16日会議 :
◆研究員から幾つかの提案があった。→ 寺の公益性の性格からいって、お金がなくても葬儀ができることを保証すべきである。宗派を挙げて支援体制を作ってはどうか(この件については2班の提案にもあったという)。
◆伝統を再生させ、活性化させる可能性があるところと、それが不可能に近いところがある。後者の場合は代替システムを考えるべきである(井上提案)。
◆問題そのものが地域の特殊性を強く帯びている。宗勢調査や各種のアンケートの企画もあるが、実態を掴むのは困難であろう。しかし中央で情報を集めるシステムがあってもよい。そのためには常駐スタッフが必要であろう。調査については3班と連携することが考えられる。
◆今後の作業として「事例集」を作成することが提案される。
(詳細は後記)

〇布教師会中央研修会シンポジウム。11月6日、大正大学にて。
勝野研究員のコーディネーター、村上研究員のコメンテーター、のもと、渡辺研究員がパネラーのひとつを担当する。
■現状についての大まかな把握
◆昭和40年代より火葬が急激に増加し、その後、葬儀社の斎場での葬儀も増加する。それによって伝統的葬儀が困難になってきている。
◆少子高齢化、親戚減少、親戚関係の希薄化など時流特有の問題が顕著となる。一般的に葬儀の規模が小さくなる(家族葬)。→「直葬」。
◆住職の兼業が困難な時代になった。檀家数の少ない寺の経済的問題は深刻。法嗣・副住職の就職が心配である。
◆墓の問題。業者・檀家が勝手に墓地を建設。 信仰の自由に基づく葬儀や埋骨の混乱の問題。「樹木葬」「散骨」。
◆檀家の側の問題。→戒名格下げ。葬式が出せない檀家。田舎でも諸宗教が入り込み複雑化。孤独死、独居老人。→結果として布施収入の減。
◆後継が不確実で、先祖祭祀が困難な時代になった。先祖意識(崇祖)の減退。親世代と子世代の別居(核家族化傾向)。

■事例集作成。
◆各研究員の自坊、近隣寺院で見聞きした事例をサンプルとして「事例集」の作成を試みることを課題とした。
◆「事例集」は、加除式とし、使用に当っては追加や分類が容易なものとする。
◆見出し(標題)、基礎情報(日時、地域〔大都市・中都市・郡部〕、キーワードなどの枠組を設け、分類や検索が可能であるものとする。
◆作成にあたっては守秘性、匿名性に問題がないよう配慮する。
◆生データを蓄積し、ほぼ完成した時点で、ホームページに載せるとか、冊子にして公開することを考える。その場合、モニターも必要であろう。
◆G班の研究にとっても課題研究のために重要な前提作業となるはず。というのも個々の寺院の問題はかなり地域性やその寺院の特殊性に左右され、一般化するためにはさまざまな事例を俯瞰する必要がある。また問題点を絞ったり特化したりする場合に必要なデータとなるから。
さしあたりの作業として「事例集」の見本を作成する。

〇第五回、22年3月5日会議 :
G班会議記録
  渡辺より、G班に与えられた課題、「葬儀の変容とあるべき姿の提示、法要形式の現代化について」を確認し、さらにこの議論を深めるためには、葬儀そのものの意味、すなわち葬儀導師が如法作法によって往生や成仏させるという意味で、導師はいったいなにを行っているのか、について議論すべきことをG班研究員に事前にお知らせしておいたことが報告された。そこで今回は出席者の了承を得て1時間以内の時間を取って渡辺研究員が発表し、全員で議論した。
 渡辺発表の問題提起と提案趣旨は次のようなものである。
葬儀式の形はもちろん大切だが、さらに、われわれが通常用いている葬儀式の背後にある考え方を追及すべきであること。つまり、亡くなった人をどのようにして往生、成仏させることができるのか、その往生、成仏の教学的可能根拠を、通常の法儀式や勤行式の中に探索し、僧侶はいったいなにをしてきたのか、なにができるのか、を明らかにすることが、「あるべき形」や「現代化」を考える上で必要であること。このことが問題提起された。
成仏の可能根拠として、“遣教主釈迦牟尼仏の力。引接教主阿弥陀仏の力。三力(如来加持力・我功徳力・法界力)。げの力。ァ崢鏤辧廚砲垢襪海函この四つが挙げられる。
使用した資料は、法華経(自我偈、方便品)、光明供、法華懺法、例時作法、常用勤行儀である。その他に『梵網経』、『観普賢菩薩行法経』、多田孝正著『天台常用法儀集解説』(天台宗神奈川教区、教学布教法儀研究所、平成18年刊)も使用した。
発表内容の概要は、添付の別紙を参照。

発表後、いくつか問題点が議論されたが、霜村氏から概ねよろしい、という認容の意見があった。また、今回発表は、考え方の一つを示したもので、事例集の一つと考えた方がよいだろうということが張堂氏から指摘され、さらに来世や成仏に関してもう少し天台教学本来の視点を加味すべきとの神達氏の指摘があった。またそれだけでは現場の僧侶には物足りないところがあるのではないかとの霜村氏からの意見も出た。
また各員より、前回に提案、決定した「事例集」の作成をそれぞれ進めようという意見が出された。
最後に、最近、出版されて世間で評判の、島田裕巳著『葬式は、要らない』(幻冬舎新書、平成22年1月出版)が提示され、本著には各所に見過ごすことのできない問題があることが指摘され、次回にはこの問題を検討することが、渡辺氏より提案される。後日、G班各位にはかることにした。
以上、第五回会議の議事録より抜粋転写。

■なお、第五回会議提示の要約文書「往生・成仏の教学的(理論的)可能性について」、また、「葬式法事の意義」(21年11月6日天台学会布教師会大会でのシンポジウム提案原稿)はG班会議の議論の成果も入っているのでセンター長へ報告することにした。

*平成22年度事業計画
各寺院の葬儀に関する問題事例集の作成

掘ァ峩誼追嫦峺Φ羹蟶話会」及び「現代における宗教の役割研究会」(コルモス)への動き
 平成21年 7月3日 「教団付置研究所懇話会」第9回生命倫理研究部会(於本願寺聞法会館)
出席者、小林肋乾札鵐拭篠后β湿絛酋研究員

 平成21年 7月9日 「第8回教団付置研究所懇話会」第3回実行委員会(於孝道教団本部)
出席者、小林肋乾札鵐拭篠后皸聰湛センター書記
 平成21年9月30日 「第8回教団付置研究所懇話会」第4回実行委員会(於孝道教団本部)
出席者、小林肋乾札鵐拭篠后皸聰湛センター書記
 平成21年10月9日 第8回「教団付置研究所懇話会」・年次大会
  テーマ「自死について」(於孝道教団本部)
出席者、小林肋乾札鵐拭篠后‖薪長Ю擬臟
                 大澤亮湛研究員   村上興匡研究員
      神達知純研究員   
      寺門俊明師
    (社会教化活動団体ネットワーク会議)
      林拓弥(大正大学大学院)
    河野文英社会課書記 皸聰湛センター書記 

 平成21年12月26〜27日
  第57回「現代における宗教の役割研究会」(コルモス)テーマ「自死・孤独死・安楽死」(於京都国際ホテル)
             出席者、小林肋乾札鵐拭篠
村上興匡研究員
  皸聰湛センター書記
 平成22年 3月15日「教団付置研究所懇話会第」第1回自死問題研究部会(於本願寺聞法会館)
    小林肋乾札鵐拭篠后‖湿縱の擬匆馼長     
大澤亮湛研究員
清田玲寂師 寺門俊明師 米田陽子氏
(天台宗社会活動団体ネットワーク会議)    盒曲険兌匆餡歃餤 皸聰湛センター書記         

検ヌ斉への展望
 天台宗総合研究センターが発足し、実働に移って以来、すでに7年を経過した。
 各研究班は宗門の付託に応えるべく、鋭意研究を重ね相応の成果を見つつあることはまことに有り難いことである。
 しかしながら、激変する社会情勢の中で、その変化に対応し、精神界を先導して天台宗徒の責務を全うすることは並大抵のことではない。であればこそ、覚悟を新たにして宗祖大師の本願を体し、激動する人心に対応しつつ浄仏国土建設の宗旨に一歩なりとも近づけることこそ宗徒の任務であり、当研究センターとして宗門の要望に応えねばならぬと覚悟を新たにするものである。
 既説の4班に合わせて、宗門の要望に応え、プロジェクトチームが発足し、更に具体的な研究がすすめられつつあることは必ずや宗徒各位の意に添え得るものと信じ、更なる進展を帰したい。
 各位のご支援を切に望む次第である。